畳の上の生活は、足腰を弱らせる
老後の生活を考えると、畳の部屋より洋室の方が良い。
というのも畳の部屋には様々な問題が潜んでいるからだ。
まず年を取ると一番危険なのは転倒だが、畳の部屋は足を引っかけやすく、寝起きする布団にも足を取られやすい。
そうして転倒して頭を打ったり腰を打つと、半年以内に死亡に至るケースが多い。
死亡に至らなくなっても要介護になり、一人で自立して暮らせなくなってしまう。
年寄りがなぜ、転倒くらいで死んでしまうかというと、ダメージから回復するための材料が、身体の中に十分に蓄えられていないからだ。
身体の材料と言えばタンパク質や脂肪であるが、これらは病気やケガをしたからと言って、急に何倍も吸収されるわけではない。
1日に吸収できる栄養素の量には限りがあるので、ケガをした時に持っている筋肉量が重要になるのだ。
筋肉があれば、それを壊してタンパク質や脂肪、水分などをケガの回復に充てられる。
ところが年を取ると成長ホルモンや性ホルモンが減り、食も細くなって筋肉がつきにくくなってしまうから、いざという時に回せる栄養素がなくなっているわけだ。
近年、高齢者の栄養失調(タンパク質不足)が問題になっているが、タンパク質は骨の材料でもあり、免疫の材料であるから、しっかりと筋肉をつけておかないといけない。
となると、日頃から足腰を使って筋肉量を減らさないような生活が重要になる。
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畳とコタツを往復する生活は最悪
年を取ったら和室ではなく、洋室で暮らすようにする方が良い。
というのも和室の畳は足を引っかけやすく、寝起きする布団も足を取られて転倒しやすい。
また、布団とコタツを往復するような生活は、足腰の筋肉を殆ど使わないため、足腰が弱った上に、膝や腰も曲がってしまう。
言ってみれば、畳とコタツの生活は、寝たきりになる準備をしているようなモノだ。
寝たきりを防ぐためには、日頃から足腰を鍛えて、太ももなどの腰回りに筋肉をつけておく必要がある。
なので両膝を曲げるスクワットや足を前後に開いて膝を曲げるレッグランジなどの運動が良いという。
(※椅子やベッドから立ち上がる運動でも良い。
)どちらもテーブルと椅子の生活では非常に簡単な運動なのだが、畳の上に座っている生活では、わざわざ立ち上がらないといけないから、かなり面倒な運動だ。
また、和室は介護の際にも問題が多い。
年を取ると飲み物や食べ物をボロボロこぼしたり、失禁したりして床を汚すことが多い。
畳の場合、これらの汚れを取ることが難しく、不潔になったり、ダニなどの繁殖の原因になってしまう。
畳は断熱性が高く保湿性が高いので、部屋を暖かく保つのには良いのだが、その分、湿気に弱くて湿気をため込んでしまうのだ。
そうなると畳を天日干ししたりせねばならず、面倒な作業ばかり増えてしまう。
断熱性能が上がった近年の住宅なら、断熱効果を狙って畳を入れる必要も無いから、老後のために和室を洋室にリフォームすることも重要だ。
因みに、一般の日本人が畳の部屋で暮らすようになったのは、明治時代以降の話で、それまでは板の間が普通だったらしい。
い草の栽培が始まったのも、戦国時代くらいからで、畳って実は一部の特権階級の贅沢だったんやね。