賃貸か持ち家か、損得勘定
老後のための住まい探し。
家を買うかどうかを考える場合、賃貸と持ち家のどちらが得かという議論をすることがある。
これは金銭的なことだけで考えると、経済学的には同じくらいになるはずだ。
というのも分譲業者と賃貸業者が、お客を取り合うわけだから、コストは徐々に近づいていくはずだからだ。
家を買うコストより賃貸コストが安ければ、家を買うより家を借りる人が増える。
逆に賃貸コストより家を買うコストが安ければ、家を借りるよりも買う人が増える。
コストで考えた場合、こういう関係が成り立つから、家やマンションを建てて売る分譲業者は「賃貸より買った方が得」と主張できる物件を作るし、家やマンションを建てて貸す賃貸業者は「家を買うより借りた方が得」と主張できる家賃を設定する。
そうすると、トータルコストは同じくらいになり、賃貸が得か持ち家が得かというのは、金銭的には殆ど意味がなくなる。
ただし、同じ物件を賃貸で借りた場合と、頭金無し・賃貸並みの返済額で住宅ローンを組んで購入した場合、ローンを組んだ方が支出額は大きくなる。
というのも購入した場合は、家賃並みの返済額の上に、管理費や維持費が上乗せされて支払うことになるからだ。
しかし購入した場合、ローン返済後は維持費のみで良くなるので、月々の支払いはぐっと下がることになる。
つまり購入して住宅関連の支払いが楽になるのは、ローン返済してから後の話で、それまでは大して変わらない。
また、支払総額は、買った場合も借りた場合もほぼ同じになるという。
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賃貸と分譲、どちらが良いかは環境次第
持ち家が良いか賃貸が良いか、コストで比較した場合、殆ど同じになる。
これは経済学的な観点から見た話で、大局的に見ればそういうことだ。
持ち家が良いか賃貸が良いかというような比較記事が雑誌などには良く載っているが、ローンの金利などの前提条件を変えれば、どちらの結論も導けるからあまり意味がない。
金利が1%違えば、総支払額はかなり変わるし、返済期間や頭金の多寡(多い少ない)によっても変わる。
たとえば1,000万円の借り入れ・金利3%・30年返済だと利息は518万で総支払額は1518万円で、金利が2%なら利息が331万円になり、総支払額が1331万円になる。
ただし一般的には、買っても借りても数百万程度の差くらいしかでないと考えられており、どちらを選ぶかは、他の様々な要因で決めるべきだろう。
たとえば賃貸だと、駐車場代は別にかかることが多いが、一戸建てだと敷地内に駐車場があれば駐車場対はかからない。
また賃貸だと、あまり近所づきあいする必要がないが、持ち家だと、近所づきあいやマンション管理組合加入は必須だ。
家の修繕費などの積み立ても、賃貸では必要がないが、分譲マンションでは必要になるから、思わぬ出費がある。
マンションなどは、新築や築淺(築年数がすくない)の場合、年代が殆ど同じくらいで価値観も同じなのでつきあいやすいが、中古マンションだと、かなり出入りがあってバラバラなので、価値観の相違からもめ事も増えてきたりする。
実際に住んでみて気に入らなかったり住みづらかった場合、賃貸なら引っ越しを検討すればよいだけだが、持ち家なら資産が固定されてしまって、別の分譲住宅に住み替えるのはかなり難しい。