リフォーム前提で物件を見ると、見方が変わる
中古住宅を購入する場合で覚悟が必要なのがリフォームだ。
リフォーム費用に、いくらくらい使うかで、その後の住みやすさもかなり変わるだろう。
自分が住むからと思ってリフォーム無しで考えていても、自分の持ち物になった瞬間、もっと良くしたいと思うケースも多い。
この場合、住む前にリフォームした方が、住んでからリフォームするよりも、費用がかかる事が多い。
特にバス・トイレ・台所などの水回りは、リフォームしてから住まないと、住みながらリフォームするのは面倒だから、結局リフォームせずに不快なまま暮らす羽目になったりする。
また、リフォーム必須だと考えた場合、中古物件の見方が変わる。
リフォームする前提であれば、自分好みの設備を入れられることだし。
畳の部屋はホコリっぽくて掃除も大変だから、フローリングに替えるとか、台所の調理台が狭くて嫌なら、広いキッチン台を入れることもできる。
和式便器から洋式便器に替えたり、風呂も追い炊き機能の付いたモノに変えることもできる。
なので現状ボロボロの物件でも、リフォームすれば見違えるかも知れない。
もちろんこれはリフォーム経験者がやることであって、ずぶの素人がやると失敗する。
リフォームでどれくらい金がかかるか知識がないなら、割高でもリフォーム済み物件や、リノベーション済みの物件の方が安く付く事も多い。
トイレだけ替えるのであれば50万もかからないが、トイレ・キッチン・風呂を全部入れ替えると、個別の工事よりまとめて工事した方が安く付く。
地震で倒壊しないために行う耐震リフォーム・耐震補強だとか、断熱材を入れる断熱リフォームも、後からやるよりリフォーム済みの物件の方が安く付いたりする。
大まかな目安としては、
- 内装の変更 10万円~30万円
- 和室を洋室に変更 20万円~50万円
- キッチンやトイレ・バスなどのユニット一新 500万円。
- 耐震リフォーム 150万円
- 断熱リフォーム 150万円
位になるという。
かなり古い物件のリフォームだと、1,500万円~2,000万円くらいは必要だ。
テレビでよく中古住宅のリフォームをやってるけど、かかった費用はそれくらいになっている。
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建築基準と住宅性能
中古住宅を購入する際に、特に気をつけないといけないことがある。
それは住宅の「耐震性能」だ。
1981年以前に建てられた建物と、そのあとに建てられた建物とでは、建築基準の耐震基準が大きく異なっているため、耐震リフォームが必要かもしれない。
安すぎる物件は、たいてい81年以前に建てられた物件で、耐震補強してない物件だろう。
因みに建築基準には大きな節目がいくつかあって、建てられた時期によって基本性能がいろいろ異なる。
建築基準の変遷
- 1981年…耐震性能基準が変更
- 1998年…省エネ性能基準が追加(断熱性能)
- 2000年…耐力壁の配置バランスや地盤に応じた基礎
- 2003年…24時間換気システムの設置
建築基準は、基本的な住宅性能を決めるモノなので、最新の物件はこれらの要件を満たしている。
逆に中古住宅の場合、築年数が長ければ長いほど、これらの性能が劣る。
特に重要なのが81年の耐震性能の基準の変更で、これより前の建物は、震災レベルの地震には耐えられない可能性が高い。
また98年以前に建てられた建物では、断熱性能が不足しているため、冷暖房費が高く付いたりする。
また03年以前に建てられた建物では、空気の流れが滞り気味になっているため、シックハウス症候群やカビ対策の換気が必要かもしれない。
なので中古住宅を新築並みにリフォームすると、1,000万から2,000万もかかってしまうのだ。
多少自分の好みと異なっても、リフォーム済み・リノベーション済みの物件を買った方が、割安になるのは、こういう基本的な住宅性能のリフォームが高く付くからだろうね。