ホームインスペクターに住宅を診断してもらう
ホームインスペクションとは、「専門家による建物診断」のことだ。
後悔しない住宅購入のためには、新築・中古に限らず、ホームインスペクターに調査をお願いすべきだ。
ホームインスペクションは、宅建業法で導入が促進されており、ホームインスペクション業者もドンドン誕生している。
ホームインスペクターの仕事は、現況検査
新築住宅や中古住宅の建物診断を行うホームインスペクターは、一体何を調べるのか。
国土交通省が平成25年に発行した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」によると、次のようになって居る。
現況検査
現況検査の内容は、売買の対象となる住宅について、基礎、外壁等の住宅の部位毎に生じているひび割れ、欠損といった劣化事象及び不具合事象(以下「劣化事象等」という。)の状況を、目視を中心とした非破壊調査により把握し、その調査・検査結果を依頼主に対し報告することである。
現況検査には次の内容を含むことを要しない。① 劣化事象等が建物の構造的な欠陥によるものか否か、欠陥とした場合の要因が何かといった瑕疵の有無を判定すること
② 耐震性や省エネ性等の住宅にかかる個別の性能項目について当該住宅が保有する性能の程度を判定すること
③ 現行建築基準関係規定への違反の有無を判定すること
④ 設計図書との照合を行うこと
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現況検査における検査対象の範囲
- 現場で足場等を組むことなく、歩行その他の通常の手段により移動できる範囲
- 戸建住宅における小屋裏や床下については、小屋裏点検口や床下点検口から目視可能な範囲
- 共同住宅においては、専有部分及び専用使用しているバルコニーから目視可能な範囲
以下の三つの項目について、劣化事象を検査する。
構造耐力上の安全性に問題のある可能性が高いもの
目視・触診・打診・計測などによって、問題があるかどうかを検査する。
木造住宅の場合は、シロアリの害、腐朽や、その可能性について。
鉄骨造りの場合は鉄骨の腐食。
鉄筋コンクリート造りの場合は、錆汁(さびじる)や鉄筋の露出。
住宅基礎部分に関しては、コンクリートに、幅0.5 ㎜以上のひび割れ又は深さ20 ㎜以上の欠損がないかどうか。
錆汁の発生(鉄筋が腐食している可能性)や腐食について。
傾斜に関しては、千分の6以上の傾斜があるかどうかを調査。
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雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの
目視によって、問題があるかどうかを検査する。
屋根や外装に関して
屋根葺き材や外壁材に雨漏りが生じる可能性が高い欠損やずれが生じている状態
•シーリング材や防水層に雨漏りが生じる可能性が高い破断・欠損が生じている状態
屋外に面したサッシ等に関して
建具や建具まわりに雨漏りが生じる可能性が高い隙間や破損が生じている状態
シーリング材や防水層に雨漏りが生じる可能性が高い破断・欠損が生じている状態
小屋組、天井、内壁
雨漏り又は水漏れが生じている状態(雨漏り・漏水跡を確認)
設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの
目視、触診、通水によって、問題が無いか確認する。
給水管、給湯管
給水管の発錆による赤水が生じている状態
水漏れが生じている状態
排水管
排水管が詰まっている状態(排水の滞留を確認)
水漏れが生じている状態
換気 換気ダクト
換気ダクトが脱落し、又は接続不良により、換気不良となっている状態
ホームインスペクションの費用は、いくらくらい?
ホームインスペクションの費用は、一件あたり5万円台くらいからあるようだ。
ただしこれは、あくまでも「目視による非破壊検査」での料金だ。
様々な機器を使っての検査や調査などをお願いする場合は、追加料金が発生する。
ホームインスペクターさんの出張費用も、別途で必要になる場合もある。
住宅購入は数千万円の出費だから、十万円くらいの費用は必要経費だし、誤差の範囲だと考えるべきだろうね。
リフォームの場合は、改修すべき点を指摘してもらうだけで、見積もり等はホームインスペクターさんの業務には入らない。
ホームインスペクション業者は、住宅建設会社やリフォーム会社も兼業していることも多いため、見積もりをお願いしたいということもあるかも知れない。
だが、あくまでもホームインスペクターは、中立的な立場で助言するというのが建前なので、リフォーム業者にホームインスペクションを依頼する場合は、ぼったくられるリスクは覚悟しないといけない。