ラーメン構造の長所と短所
老後の住まい探し 物件の選び方編。
物件を選ぶ際に知っておきたいのが、建築物の構造の知識だ。
建物の構造は購入後に変えられないから、最低限の知識を持っておくべきだろう。
と言っても、知っておくべき構造は、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2つだけだ。
この二つを組み合わせた壁式ラーメン構造というのもあるが、これはそれぞれの長所で短所を補ったもので、住宅用の建物はこの2種類の構造を組み合わせて作っている。
さて、ラーメン構造とは、伝統的な日本の木造建築のように、柱と梁で骨格を造って、そこに壁を張っていく構造だ。
基礎を作った上に垂直に柱を立て、水平に梁を張る。
これによって建物を支える仕組みだと考えればよい。
ラーメン構造のイメージ
ラーメン構造では、柱と梁以外は自由にできるので、どこを壁にしても良いし、どこを出入り口にしても良い。
なので柱や梁さえ気にしなければ、リフォームなどでも非常に融通が利く造りになっている。
ただし、壁なども薄くできてしまうので、隣の部屋の物音がよく聞こえることが多い。
木造アパートなどでは、隣の部屋の物音が聞こえてしまうが、鉄筋コンクリート造りであっても、ラーメン構造だと同じことが起こる。
またラーメン構造は柱と梁の接合部に力が加わりやすいので、地震の横揺れには弱いという欠点がある。
なので震災レベルの地震には耐えられない。
2階建ての建物で、1階部分が壊れてぺしゃんこになるイメージだ。
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壁式構造の長所と短所
ラーメン構造とは、柱を垂直に立て、水平に張りをはって作る建物で、柱と梁をつなぐ接合部に大きな力が加わる。
そのため、地震などの横揺れには弱く、震災レベルの地震だと家屋が倒壊する。
一方、地震に強いのが壁式構造の建物で、これは四方の壁と床と天井という6枚の板で、建物を建てるという法だ。
イメージとしては、ボックス・ティッシュの箱を、どんどん積み上げていくイメージだ。
壁式構造(壁を組み合わせて作る建築方法)
壁式構造の建物は、5階建て以下の建物に使われるが、地震の震動による揺れを全体でうけるために、壊れにくいのだ。
さて、壁式構造の建物の利点は、柱や梁がないために室内を広く使えるということだ。
太い柱がないため、部屋の四隅にぴったりと家具を置けるし、天井に梁の出っ張りがないので、広く見える。
壁は分厚い鉄筋コンクリートで作るし、隙間もできないので、防音もばっちりだ。
冷暖房なども空気の流れがコントロールしやすいので、効率よく冷暖房を行うことができる。
ただし壁式構造の建物は、大規模なリフォームができない。
柱と梁で家を支えているラーメン構造の建物だと、壁を壊すような大規模なリフォームも可能である。
しかし壁式構造の建物だと、壁で建物を支えているために、壁を壊したり窓を大きくすることはできない。
中古住宅を手に入れてリフォームして住もうと思っても、壁式構造の建物は壁を壊せないため、大胆な間取り変更が難しいのだ。
まあもちろん、老後の住まいとして考えるなら、震災でも壊れにくい壁式構造の方が安心だが。