住宅購入 広いスペースに魅了されると失敗しがち
老後の家探し、間取り編。
家を買う時はどうしても、広々した設備に目が行ってしまう。
広い玄関、大きな吹き抜けや階段、広いリビングや広いキッチンなどなど。
こういったモノは広々として開放感があるが、実際に住み始めてみると、いろいろと問題も多い。
たとえば広い玄関が北向きにあったら寒い。
広い吹き抜けや階段も北側に面していたら、冷たい空気が降りてくる通路になってしまう。
広いリビングも、全体に日当たりが良くないと、暖かいところと寒いところができてしまって、具合が悪い。
台所なども北側に造られることが多いから、窓がないと暗いし、床もフローリングでは寒いし冷たい。
こういう広いスペースでは、部屋の中で寒暖差ができるから、風が起こるし、そのせいでホコリも空気中に舞い上がる。
広いスペースでは、どこで空気が暖まり、どういう風に風が起こるのか、しっかり考えねばならない。
また広い空間では、音や臭いも筒抜けになってしまうから、プライバシーなどもあったもんじゃない。
広いスペースや大きな設備に心を奪われて、それだけで住まいを決めると、あとで後悔する羽目になる。
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使いやすい台所は、腰を曲げない台所
広いリビングや広いキッチンは、人気の間取りだ。
おしゃれなドラマやカフェでは、おしゃれなモノが配置されていて、とても魅力的だから、それもやむを得ない。
しかし広いのと使いやすいのとは別の話で、良く調べないと後悔の原因になる。
たとえば広い台所なら作業がしやすいかというと、コンロや調理台・シンクの配置によっても違うし、キッチン台の幅の広さによっても異なる。
冷蔵庫も右開きと左開きで置ける場所が変わってくるし、冷蔵庫から調理台までの距離も使いやすさを左右する。
冷蔵庫から食品を出して調理台に置き、コンロなどで調理した料理を食卓まで運ぶ…、この一連の動き(導線)がシンプルで最短にしないと非常に使い勝手が悪くなる。
そしてもう一つ重要なのが、調理台などの高さだ。
キッチンには、包丁を使う調理台と、洗い物などをするシンクと、鍋やフライパンを使うコンロ台の3つの台があるが、それぞれ高さ(深さ)が異なっている。
この中で一番高くなっているのは調理台だが、調理台の理想的な高さは、使う人の肘の高さから7~11センチ下くらいで、これより低いと腰を曲げないと使えなくなる。
シンクは、調理台よりも低くなっているため、調理台で腰を曲げないといけないなら、ずっと曲げないといけないことになるから大変だ。
日本の調理台は、身長が低い女性に合わせた規格だったようで、永らく80センチと85センチの2種類しか選べなかった。
そのため最近は90センチのキッチンセットもあるし、高さを調節できるキッチンもできている。
またシステムキッチンなどでは、食器洗い機などが組み込み(ビルトイン)になっているが、こういうのも台所の使い勝手を悪くする一つだ。