賃貸か分譲かは価値観によるが、年寄りには選択肢が少ない
賃貸が良いか分譲が良いか。
これは結局、選ぶ人の価値観次第だ。
トータルコスト的には、賃貸でも分譲でも大した違いはない。
ただし賃貸用物件と分譲用物件では、建物や部屋の造りが根本的に異なるからまともな比較ができるかどうかも怪しい。
たとえば賃貸用物件は、利回りをよくするために、共用部分の面積を少なくしたり、壁を薄くしたり、風呂や収納スペースが狭かったりというようにコンパクトな造りになっていることが多い。
逆に分譲用の物件は、完売させるために、施設も充実させているし、スペースも広めに造ってある。
賃貸住宅なら、多少設備が貧弱でも、数年のことだから気軽に契約することができるが、数千万円の物件を売るためには、物件自体に強力な魅力がないと決断できないので、部屋の造りや共用部分は広く造ってあるわけだ。
もちろん、分譲物件並みの設備の賃貸物件もあるが、そういうのは家賃も高級で、相当の稼ぎがないと無理だろう。
年を取ると、気軽にお金を散財するわけにも行かなくなるので、そういう分譲物件並みの賃貸に住むのも難しいだろう。
そして現実問題として、死ぬまで住み続けるためには、持ち家を持つか、公営住宅を借りるかしかない。
というのも民間の賃貸住宅に住むには、保証人と収入の保証がないと借りられないからだ。
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年を取ったら、たいていの大家は部屋を貸してくれない
老後の住まいを考える場合、賃貸住宅に住み続けるのは難しい。
公営住宅であれば、一旦住めば住み続けることができるが、民間の賃貸物件に住み続けるには、連帯保証人が確保が必要だ。
賃貸住宅を借りる場合、たいていは親や親戚が連帯保証人になっているはずだが、年を取ると親や親戚もどんどん死んで行く。
そうなると別の連帯保証人を立てねばならないから、保証人になってくれる人を見つけないといけない。
もう一つの問題は「家賃を払い続けられるか」という問題だ。
年を取って働けなくなったら、毎月十万以上も家賃に払える人は少ないはず。
年を取ったら資産収入だけが頼りだが、資産がない場合はもう賃貸物件には住み続けられない。
また現在、民間賃貸物件の4割くらいが、高齢者の入居不可になっているらしい。
これはマンションやアパートの管理会社が、高齢者の入居を拒否しているかららしい。
高齢者居住支援センターというのがあって、家賃などを半年程度保証しようとしているが、登録住宅数は伸びていない。
家賃保証をつけることによって、連帯保証人が不必要になるだろうと考えられたが、大家は保証人がないと安心して貸せないらしい。
まあ年寄りは何かと手間がかかるから、お金だけ保証されても仕方がないってことだろうな。
まあそのうち、低所得者老人向けの住宅サービスというのも出てくるかもしれないが。