リノベーション住宅
老後の住まいはマンションと一戸建て、どちらが良いのか?次に考えるのは、修繕費だ。
賃貸だと、修繕は家主の責任で、家賃に含まれているから気がつかないが、不動産を所有すると自己責任だ。
分譲マンションの場合はもちろん、修繕費は積み立てになっていて、最初に30万前後を入れて、そのあとは毎年10万から20万円程度ずつ積み立てていく。
管理費◎◎円/積立金◎◎円という風に、分譲マンションの広告には必ず書いてあるが、これである。
修繕費は築年数が増えるごとに、少しずつ金額が上がっていくことが多く、50年間で考えると約1,000万円くらいになるという。
ただしこれは配管や外観塗装などといった、共用部分の修繕費の積み立て分であり、自分の部屋のリフォームなどの費用ではない。
一方、一戸建ての場合は共用部分の負担はないが、50年も住むと仮定すると途中でリフォームが必要になる。
リフォームにかかる費用は、リフォームの規模にもよるが、だいたい1,000万円から1,500万円くらいになるという。
もちろん塗装や庭木の手入れなどにも費用がかかるので、毎年それなりの支出を覚悟しておく必要がある。
なのでトータルコストとしては、マンションの方が多くなると考えられる。
しかし最近はリノベーションなどと言って、築年数が20~30年くらいの住宅を大規模改修して、より長い期間、住めるようにした住宅も登場してきた。
だから老後の30年くらい住むための住宅を買うのであれば、リフォーム済み住宅か、リノベーション済みの分譲中古マンションで十分かもしれない。
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リフォームとリノベーション 何が違う?
リノベーション住宅とは、大規模改修を施した住宅だ。
10年くらい前はリフォームという方法での中古住宅再生が流行っていたが、リノベーションはまた新しい発想の中古住宅再生の一つだという。
リフォームとリノベーションの違いは、部分的改修と根本的改修という違いだろう。
リフォームでは、トイレだけ、キッチンだけ、風呂周りだけ、外装だけ、と言う風に部分的な改修が中心で、傷んだところを直したり新しい材料やユニットに入れ替える。
しかしリノベーションでは、間取りや水回りの配置などは一から見直し、まるで違う住宅に生まれ変わらせるという感じだ。
中古住宅の改修の流行がリフォームから、リノベーションに変わってきた原因の一つは、1970年代後半から80年代までに起こった、マンション建築ブームだ。
当時、雨後の竹の子のようにたくさん造られたマンションが、築30年を迎えて大規模な改修が必要になってきた。
構造物としては50年以上は保つはずなのだが、下水道などの配管はそんなに永く保たないし、雨風にさらされている部分は錆びて傷んでくる。
また高齢化社会を迎えた日本では、バリアフリーな設備がないと住みづらいから、高齢者対策の改修も必要になってきた。
そういうわけで、築30年を迎えるマンションでは、リノベーションと呼ばれる大規模改修が行われ、若い人たちも、中古住宅を買って、それを自分好みの形にリノベーションして、住むようになってきたわけだ。